6.改正都市計画法
  1)市町村都市計画マスタープランの意味
都市計画マスタープランの必要性
 21世紀に向けて、我が国の経済社会は、少子・高齢社会や環境を重視した社会等へと大きく変化しており、また、身近な生活環境の重視や高齢者などに配慮した福祉環境の整備、美しい街並みと景観の形成など住民のまちづくりに対するニーズが多様化してきています。
 さらに、地方分権への大きな流れの中で、市町村と住民が一体となって「自らの意思で自らのまちづくりをすすめる」ことがより一層求められる時代となってきています。
 都市計画においては、住民に最も近い立場にある市町村が、住民の理解と参加のもとに地区ごとに将来のあるべき姿を明示し主体的にまちづくりを行うための都市計画マスタープランを創設することが必要であるとされ、平成4年の都市計画法の改正により「市町村の都市計画に関する基本的な方針」として制度化されました。
 本道は、気候風土はもとより景観、歴史・文化などさまざまな地域特性を有しており、雪や寒さ、歴史などを生かした地域独自のまちづくりが求められています。

なぜ、都市計画マスタープランが必要なのか? ということを次の2つ視点でとらえてみました
我がまち独自の課題解決や創造的な都市づくりのための都市計画マスタープラン
  2つ目は、自分のまちにおいて課題を解決するため、さらにはビジョンにもとづく創造的な都市を計画的につくるための手だてとして都市計画マスタープランをとらえるという視点です。

・本道の都市は、それぞれ独自の課題を抱えています。

 例えば、次のような悩みなどをよく聞きます。

 @まちの中の人口減少や商店街の歯抜け状況などいわゆる中心部の空洞化をどうするか。
 A少子・高齢化社会に対応し、人に優しいまちづくりが求められている。特に、高齢者や障害者の方々にとって、
   安全かつ快適なまちづくりをすすめたい。
 Bいわゆるハコモノ整備は一段落したので、これからは、下水道の普及と美しい街並みの整備が我がまちの最
   重点課題だ。

・これらは、ほんの一例ですが、皆さんのまちでは、それぞれ解決したい独自の課題、やりたいことがあるはずで
 す。
・このことを実現していくには、自分のまちの現状や問題点、課題を明らかにし解決策を決めていかなければなり
 ません。
・もちろん担当者だけではなく庁内全体で、さらには住民の方々とともにすすめることが基本であることは言うまで
 もありません。

 このことは、都市計画マスタープランの策定の必要性そのものではないでしょうか。
 法に定められたから策定するのではなく、自らのビジョンと必要にもとづいて都市づくりをすすめるために都市計画
マスタープランを策定するという視点が重要です。
市町村都市計画マスタープラン策定に当たっての重視点
 道では、本道にふさわしい都市計画マスタープランの策定をすすめるため、市町村に対し政策情報を提供することが重要と考え、この手引きを策定することとし、特に、次の3点を重視して取りまとめております。

 1.住民参加を重視する

 住民参加のもとに都市計画マスタープランを策定することが最も重要な点であり、その前提となる情報の作成、公開、共有や住民参加のしくみ、考え方、具体的手法について重点的に説明し事例を紹介すること。

 2.市町村の計画体系の中での位置づけを重視する

 「都市計画マスタープランは、市町村における地域づくりの最も上位の計画である市町村の総合計画に即し、その内容を踏まえて都市計画の分野の基本方針を示す中間計画である」という市町村の計画体系の中での位置付けを重視すること。

 3.我がまちのまちづくりをすすめるために策定するなど市町村独自のねらいを重視する

 都市計画法で責務となったから策定するのではなく、我がまちの課題解決やまちづくりをすすめるために都市計画マスタープランを策定するのであり、市町村独自の目的やねらいを十分に検討することが重要であること。


  2)市民参画は自治体条例で決まる

  3)条例づくりに市民が参画しなければ始まらない

  4)自治体に投げかけられた都市計画法改正