5.これまでの都市計画
  1)都市計画決定は事務手続きに過ぎない

  2)これまでの都市計画には市民参画がなかった
   ・都市計画案の縦覧は形だけ

  3)都市計画決定は事業と結びついている

  4)これまでの都市計画は物造り都市計画(市民の存在はない)
日本の都市計画
 日本の都市計画は、住民不在である。都市計画の決定は行政が握っている。その決定までには、その地域に住んでいる住民、市民の存在はない。
 なぜ、このようになったのであろうか?
 それまでの日本の開発にとっては、住民・市民の存在は余計だったのである。地域の開発をするためには、文句ばかり言うような市民の存在は、決定行為に時間が掛かってしまう。戦後の急ピッチな開発にとっては、議論をしている時間がない。開発発展が日本を引っ張っていくためには最優先の策であったのであろう。

 都市計画が決定すれば、それに自動的に開発資金、いわゆる補助金が与えられるシクミになっている。逆に、開発し補助金を貰いたいがために、都市計画決定をするという本末転倒の行為も以前は見受けられた。
日本の都市計画は完全に手続き処理法と化してしまったのである。決定の内容は審議する前から決定している。後は、いかに決定までの時間を短くするかということに集中する。
 地域の本当の議論はない。決定者は行政であって市民ではない。地方ではなくて、補助を与える国の担当者なのである。

● 5年後の見直し

● 見直しによる都市計画変更で富を得る
   ・ 用途地域の見直し変更の裏話

● アメリカのゾーニング

● ポートランドの許可制度

● 日本ではなぜ地域議論が沸いてこないのか?