地域における生活環境は、その地域独自の歴史的な経緯や地勢・風土の上に成り立っており、地域に住む住民の暮らし、企業の活動、行政の施策等、地域で展開される様々な活動の複合的な成果として、地域の生活環境は現れてきます。快適な生活環境づくりは、生活の様々な関わりにおける環境であり、道路や公園の整備、あるいは公害防止等の、いわゆるハード的な部分だけでなく、その地域で生活する上での快適性という観点で考えると、地域づくりと言えます。一口に地域づくりと言っても、その活動は、非常に広い分野を含んでおり、別の表現をしますと『まちづくり』ということになります。
『まちづくり』とは、「一定の地域に住む人々が自分たちの生活を支え、便利に、より人間らしい生活をしていくための共同の場(まち)を如何につくるか」という行為です。ここで言う平仮名の『まち』という共同の場は、単なる空間的な場だけではなく、地域に住む人たちの間でつくり出されたルールとか意識など、あるいは人が集まってコミュニティをつくることも含まれます。
『つくる』ということは、道路や公園、建物を造るといういわゆるハードを整備するということだけではなく、「ヒトづくり」「シクミづくり」「ルールづくり」などの見えない部分をつくることも含まれており、このことは大変重要なことです。そういう意味で、平仮名の『まちづくり』とはトータルな『まち』を『つくる』ということであり、大変広い範囲を含んでいます(別添資料1、2)。
また、この平仮名の『まちづくり』は、縦割り社会では実施できません。縦糸を横糸が結んで総合化していく必要があります。
物を造るという要素はその中の一部にしか過ぎません。『まちづくり』は、様々な機能が関連し合ってつくり出される仕組みです。本来の『まちづくり』は、「モノづくり」を行う前に、地域の総合的な計画が優先されて進められなければなりません。さらに、これらは地域の自治体が中心となり、地域住民と一体となってつくりあげていくべきものです。
この場合、地方自治体とは、市町村に相当しますが、市町村職員のことではなく、地域住民も含めた組織を意味し、市町村職員は地方自治体の重要な部分を占めますが、あくまでも事務的処理をするための人達であり、市民(地域全体のことを考えて発言する住民)が中心となってつくりあげている組織と解釈しています。
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