赤レンガ・政策検討プロジェクトは、道政への道民ニーズの多様化や政策形成過程への道民意見の反映を求める声の高まりなどから、全道庁の横断的な行政課題や社会経済情勢の変化に伴う新たな行政課題について、民間等との密接な連携や幅広い職員の活用を図りながら政策の具体化に向けた検討を政策室が中心となって行うシステムとして平成8年度に設置されました。
テーマそのものも政策室の限られた職員で考えるのではなく、全道庁職員から募集することや、メンバーの約半数を全道庁職員の中から公募する方式を採っており、北海道庁という巨大な組織の中でのこれまでの体質を少しでも改善しようという新しい試みとして注目されています。
一方、一般道民から見れば、まだまだ不充分であることは否めません。例えば、北海道というエリアで起きている様々な課題を検討する場合、限られた道庁職員だけで行うことには問題があります。様々な道民の方々が同じ土俵で議論すべきなのです。そのため、テーマや検討メンバーについても全道民から募集し議論することが理想ですが、このことについても問題を含んでいます。応募した方々が全て同じ場で議論をするということは、人数的に限界が生じることから、ある程度絞らなければなりません。しかし、この場合その中での議論の内容は全道民の目に入るように公開されるべきです。公開された議論に対して意見が寄せられ、さらに議論されていきます。政策検討のあり方は、透明性を基本とする情報公開が原則なのです。
ところが、現実には、これまでの行政システムの大きな流れを急激に変えることは非常に難しいことです。巨大な組織でのこれまでの政策検討のあり方は、縦割り組織の中から関係ある部署の担当者を集め、道庁のこれまでの流れを大きく変えないで方向性を出すという決まりきった検討の内容でした。
赤レンガ・政策検討プロジェクトは、こうしたこれまでの政策検討のやり方に新しい何かを導入しようという試みのスタートであり、道民から見れば、まだまだ不充分ではあるものの、道庁という巨大組織の中での大きな試みの一つとして、このプロジェクトが与える影響力は大きなものがあると考えています。
今回のテーマの概要は、「北海道全体として自律した経済社会、地域社会、新たなコミュニティーを形成するためには、地域で活動する道民、NPO、企業などがデジタルネットワークを介して知識や技術を蓄積・共有し、効率的に利活用できる仕組みが必要であり、そのための方策、道の役割等について検討すること」です。
赤レンガ・政策検討プロジェクトの創設時にも今回のプロジェクトの前進である「情報の高度利活用研究プロジェクトチーム」もありましたが、当時私は「NPO活動推進検討プロジェクト」に参加することになりました。
結果的には、その時のプロジェクトでの経験が今回のプロジェクト参加に大きく繋がっているものと考えています。 |
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