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拓殖大学北海道短期大学教授 相馬 暁(そうま さとる) テーマ 北 海 道 の 農 業 の 展 望 と 方 向 性 〜天国と地獄、そして地獄からの脱出の道〜 |
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1.現状分析:今立ち止まって・・・・農業者、地方人が何を考えるべきか (1)展望を持て:2020年、農業が輝く・・・・間違いなく天国はある @ 人口増加が食料危機をもたらす ・耕地面積が減少に転じた、反収増加が鈍化、水資源が枯渇 A 人々が豊かになる意味・・‥食肉需要の高まりが、もたらすもの ・鶏の時代に人った中国、もし豚を食べ出したら・・・・ B 2020年の農業の姿‥‥地域循環型クリーン農業こそ、目指す姿 ・進化型クリーン農業を支える技術・資材・機械を <否応なしに、農業が輝く時代が来る、その時の姿は進化型クリーン農業> (2)しかし現状は:なぜか取り残された、北海道産業・・・・地獄の現実 @ 拓銀はなぜ潰されたか・・・・考えてみよう ・賢く年を取れなかった元美女・・・・産業集積、ノウハウの集積ゼロの北海道 ・時代の変化を掴みきれなかった北海道、そしてあなた A 北海道農業の将来展望は・・・・規模拡大では生き残れない現実 ・北海道畑作の展望・・・・バレイショ澱粉、ビート糖の行方は、 ・北海道稲作の省力・低コスト生産の嘘・・・・離農の嵐が吹き荒ぶ B 離農、離農‥‥そして誰も居なくなった・・・・安楽死路線を歩く市町村 ・加速する離農率・・・・十年たったら4万戸 ・増えない農外からの新規就農・・・・十年たったらペンペン草が <地獄の現実を直視する勇気を持て・・・・政策なしの北海道人、○○集団> 2.提言T:地獄からの脱出の道・・・・その前提条件 (1)食の変化・時代の変化を捉える目・‥・農と食の原点を考える @ 豊かさを考える前に、食と農の間に越えがたい溝が・・・・ ・消費と生産の間で、今、何が・・・・表示のウソが暴いたものは何 ・情報が溢れているが、情報が繋がっていない現状 A 食生活が激変・・・・現代食生活に隠さ五つの「こ」 ・孤独な「孤食」、個人の「個食」、戸外の「戸食」、小食の「小食」 五回の「五食」にどう対応するか B 売るものは何か、それが問われている‥・・ハード・物からソフト・情報へ ・北海道の小豆、大豆、米の機能性知っていますか ・九州の紫イモで2億円・・・・時代の変化を読みとる目がビジネスチャンスを <食の変化、時代の変化を捉え農業生産を、生産者と消費者を結ぶ新たなラインを> (2)今、食が危ない・・・・食の安全性を誰が守るのか @ 輸入農産物の洪水の中で・‥・日本農業の生き残り方 ・顔の見えない輸入農産物の問題点・・・・だから地産地消 ・セーフガードではガードしきれない輸入農産物の洪水 A 農業も環境破壊、環境汚染を進めている加害者・・・・それにどう対応する ・クリーンな環境維持が安全、安心の大前提、消費者に提供出来る宝物 <食の安全性を基本に消費者との提携が進む道・・・そのどの部分を担うのか> (3)農を取り巻く新たな脅威・・・・北海道農業は生き残り得るのか @ マクドナルド化のもたらしたもの・・・・食の画一化 ・豊かな地域食材、加工品が消えていく、子供の舌を誰が奪うのか ・食の画一化、マニュアル化が世界の農業を破壊する A 大量消費、大量流通、大量生産のもたらすもの‥‥多肥多農薬 ・野菜が生活習慣病を引き起こす・・・・亭主を早死にさせる国産野菜? <スローフードの担い手としての農業・農村の役割を認識しているか> 3.提言U:現実に対応するために・・・・意識改革が前提 (1)現実を直視する勇気を持ち・・・・意識改革を、構造改革を @ 農地を金で買って新規就農?・・・・そんな時代はもう終わった ・農家生産法人の育成・強化を・・・・農村を生産法人で再編 ・耕作権の集中と農家請負制・・・・長期リース農場制の強化 ・オナー・マネジャー制農園・・・・多様な担い手、多様な農業生産を A 緊急・最重要課題は‥・・担い手と農地問題 ・新規就農者は農協の正式メンバーに成れないこの現実 B 構造改革特区に農業特区を ・株式会社の農業への参入を・・・・独自の技術、視点、販路を抱えて ・農民連盟、連合は、革新を目指さず、既得権の擁護団体では (2)北海道農業を変えていくために・・・・誰が本当に汗を流すのか @ 新規就農を地域のシステムとして‥‥地域が、あなたが汗を流す番 ・新規就農コースと就農サポートセンターの設立 ・企業もサポートセンターに結集、各町村にブランチを A 政策提言を、行動を、どう起こすかが、目の前に横たわる課題 ・新規就農者に対する信用協会の設立 ・農地に対する新たな視点による財産権の設定 <勿論、手をこまねいて、安楽死を待つのも一つの決断> 4.未来をこの手に・・・・農業を核とした地域作り @ 農業を核にした1,2,3産業化‥‥産業クラスターを ・農業の目指す姿は進化型クリーン農業、担う役割はクラスターの核 ・十勝産豆類、馬鈴薯をクラスターの核に A 農業の多面的機能の活用 ・従来型観光は限界・・・・滞在型、体験型観光へ ・農村そのものを売る。農村の機能を都市の住人と共に楽しむ B 産業間の連携をもっともっと・・・・広げて ・水産、商工、農業の祝福される結婚を目指して・・・・ISOPPの活躍 羽があるから飛べるのではない、一欠片の勇気と理念があるから跳べるのだ 今、勇気を持って一歩前に、跳ぼう |
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●相馬 暁(そうま さとる) 拓殖大学北海道短期大学教授 1941年 大阪府生まれ 1964年 北海道大学農学部農芸化学科卒業 1966年 北海道大学大学院農学研究科修士課程修了 1967年 日本青年海外協力隊員としてラオス国に派遣 1969年 帰国 北海道立中央農業試験場 化学部土壌肥料科 研究職員 1995年 北海道立上川農業試験場長 1998年 北海道立中央農業試験場長 2000年 拓殖大学北海道短期大学 環境農学科長・教授 農学博士 技術士 《主な著作》 『品質アップの野菜施肥』農文協1988年 『豆おもしろ雑学辞典』チクマ秀版社1991年 『野菜づくり全書』北海道共同組合通信社(共同監修) 『クリーン農業時代』チクマ秀版社(監修)1993年 『地域農業の担い手と魅力ある農村地域』プランニングネットワーク東北(共著) 『健康、旬を食べる』リオン社1994年 『人と豆の健康12ケ月』チクマ秀販社1996年 『野菜学入門』三一書房1996年 『今、農業がおもしろい』北海道新聞社1998年 『2020年農業が輝く』北海道新聞社2004年 |
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