北海道・北海道農業があぶない!
  
2004年5月31日         
「新規就農トラスト」を立ち上げる会         

 「新規就農トラスト」とは、新規就農者の育成とそのための「励ましの心」と「奨学金」の供与を目的とします。
 あなたに、新規就農を目指す人々を支援する”あしながおじさん、あしながおばさん″になって欲しいのです。
 1950年の農家戸数は約24万6000戸でした。それが2001年は約6万8500戸に減っています。最近では、毎年約3000戸の農家が離農し、農家後継者以外の新規就農者はわずか50〜70名です。今のままでは、10年後の農家戸数は3万戸台になるでしょう。そうなると、荒廃農地は増え、北海道の自給率も下がり、観光やスローフードどころではなくなるかもしれません。
 農作物を作っている農家が居なくなると、当然、生産量も減少し、観光客の皆さんが楽しみにしている美味しい北海道のメロンやスイートコーン、アスパラガスや馬鈴薯なども手に入りにくくなります。

 北海道(道庁)では、3月末に『ほっかいどう産業活性化プログラム』を発表しました。北海道経済の再建のため、特に重要な基幹産業分野を『観光』と『食』に設定したのです。『観光』と『食』産業を発展させるためには、農業・水産業など一次産業との連携が重要です。一次産業の発展なくして、北海道経済の発展はありません。
 北海道の農産物にこだわり、差別化した北海道ならではの加工食品を製造しなければ生き残れません。また、観光も北海道の美しい農村景観や美味しい農水産物も大きなセールスポイントです。
 農業の衰退は食品産業、観光業にも大きな打撃となります。まさに、これら三産業は互いに密接に繋がり、関連し合っているのです。農業のたくましい発展なしには、食品産業、観光業、ひいては北海道産業の発展は望めません。

 北海道の農業を取り巻く環境は厳しいものがありますが、長期的なビジョンと戦略を持てば、必ずやバラ色の時代がやってくるでしょう。
 2020年、世界の人口増加を支えるだけの食料生産が、砂漠化など耕地の荒廃による耕地面積の減少、水資源の不足により不可能になります。また、食生活が豊かになるに連れ、肉を多く食べるようになり、その家畜を養うために膨大なエサとしての穀物か必要となり、人と家畜の間で穀物の奪い合いが激化しています。
 否応なしに、世界の各国、各地域で農業を見直し、環境と調和のとれた新しい農業生産を行うことが求められています。人々に食べ物を安定的に供給することなしに、国は成り立ちません。農業こそ、時代が求める未来産業です。

 先立つものは、人材です。北海道農業の未来に人生を賭けたいと思う人が、日本全国にいるのに、今の農業のしくみにおいては、お金がないとなかなか新規就農ができません。
 私達が提案する『新規就農トラスト』は、農業後継者以外の者が新規就農する際に、金銭的な援助をしようとするものです。一人一口5千円、標準二口1万円(年)を希望します。
 あなたに「あしながおじさん、あしながおばさん」になって欲しいのです。
 一口の方には、あなたか育てる新規就農を目指す者から、毎月、どんな作物をどのように作り、どんな勉強をしているかのレポートが届きます。二口の方には、年一回彼らの作った野菜などをお届けしたいと考えています。 一方、自分が育てている人達か研修を受けている農場へも、お立ち寄り下さい。そして彼ら、彼女らと、その受け入れている農家の方と触れあい、農業・農村を知って頂けたら幸いです。農村の緑か、自然景観が、あなたの心をリフレッシュ、癒してくれるでしょう。あなたのふるさとをもう一つ作りませんか。

 新規就農者は10年後の北海道農業を支えてくれる貴重な人材です。次代を担う子どもたちに、豊かな北海道を残すために、そして長い日で、新規就農者の成長を見守るために、「新規就農トラスト」を立ち上げます。
 この活動が、明日の北海道に憂慮を抱く多くの道民に支持されるように、いま私たちは歩み始めます。