2.オッテンセン地区
地域 ドイツ/ハンブルグ/オッテンセン地区
タイプ
住商工混合市街地・改善型再開発
地区面積 100ha
事業段階 事業中(1975〜)
交通経路 国鉄アルトナ駅の西側一帯の地域
(概要)
・市西端の人口減少の著しい地区で、アルトナ(Altona)駅から連なる駅周辺の都市機能再編成と住宅地の環境改善を併せ
行い、人口の定着化を目ざす。この中でオッテンサー・マルクト広場から西のアルネマン通りとカールテオドール通り沿
いでは段階整備型再開発地区(SIKS)として、建物の修復、建替え、歩行者路整備、中庭整備が行われているが、法
による再開発地区であるスプリッツェンプラッツ地区(Spritzenplatz、11ha)は、10年前から計画だけで事業が進まない。
・マルクト広場地区は、アルネマン通り北側の街区で中庭整備が行われている(3000u)。まだ1軒の工場が反対して
居座っているため古いまま両側の壁面と連結されている。
・土地利用現況
住宅用地 42ha 複合建築物用地 23ha
商工業用地 13ha 緑地 7ha
交通用地 3ha その他 12ha
・都市建設促進法に基づく再開発よりも、法に基づかない再開発の方が先行している。
(ハンブルグ都市復興計画−再開発計画−)
・1981年、ハンブルグのある一定の地域に都市復興の計画がされた。
・ハンブルグには80万戸以上の住宅が存在し、都市復興が計画されたのは古い住宅についてである。
・再整備を行い、安い家賃とすることで郊外部への人口分散を抑制し、中心部に人口定着化を図ることを目的に都市復興会社
が設立された。
・再整備は建物を壊さずに、そのままの位置で復興することにより安い家賃とすることが可能となる(最近は郊外部の住民が
中心部への居住を望む傾向にある)。
・この計画は、ハンブルグ西部の小さな街の整備から順次始められた。
(オッテンセン地区における復興計画)
・アルトナ駅(中央駅の次に大きな駅)の西側一帯の地区であるオッテンセン地区は、中心部から約5kmの距離にある。
・オッテンセン地区の居住者(所有者)は、1960年のアウトバーン整備計画ではアウトバーンがオッテンセン地区の周り
に予定されていたことから、住宅の改 善に着手しなかった。しかし、1970年にアウトバーンの計画変更が行われ、当
該地区は古いままの地区として残った。
・この地区は、1860年以前に建設されたものが30%、1860年代に建設されたものが9%にのぼる。
・この地区には3000人の居住者がいるが、その多くは外国人(トルコ、ユーゴスラビア、南アフリカ等)である。
これは、家屋が古く家賃が安いため低所得者が居住するようになったためである。
・一方、1980年以降は、人々は交通の便等の理由から中心部への居住要求を持つ傾向にあり、中心部における居住の絶対
数が不足気味となってきた。このような状況の中、家主達は、低所得者層である現居住者を追い 出し、最低限の修理を施
して家賃を高くする傾向にある。新しい住民は、一世帯当り平均床面積が60uと狭いことから、独身者が増えている。
・このようなことから、低所得者層の居住者への対策として、政府の補助金を得て再開発を行い、今後10年間は安定した家
賃となるよう計画している。
・経済的に安くできることに関しては、政府の援助を得ることができるため、様々なアイデア(計画)を出している。
@ 雨水のトイレや洗濯水への利用(共同利用)
A 太陽エネルギーの利用
B 断熱ガラスの採用(実施中)
C 地域暖房の採用−HEWの地域暖房は将来とも計画がなく、一部独自に発電所を造り、地域暖房を実施する計画があ
る。
・その他この地区における整備は、次のような考え方により進めている。
@ この地区の55%は建築物で、25%はアスファルトやコンクリートで覆われており、これらアスファルト部分をで
きるだけ取り除くことにより、雨水の地下浸透を図る。
A アルトナ駅に近接しているため、この地区へのショッピング目的の車両の駐車による交通渋滞の解消を図る(自動車
の乗入れの許可性の導入等を検討中)。
B 歩行者と自転車利用者の安全性を図るため、歩行者、自転車専用道の設置を図る。
C ゴミを腐らせて肥料として使用する。 |
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有料自転車置場 |
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写-109:ハンブルグ オッテンセン地区 |
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写-110:ハンブルグ オッテンセン地区 |
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写-111:オッテンセン地区整備状況 |
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写-112:オッテンセン地区 古い街並み |
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住宅地内に整備中の公園 |
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写-113:オッテンセン地区整備状況 |
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写-114:オッテンセン地区 |
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