5.人々・言葉・治安
国が異なれば当然ながら言葉が違います。これは当り前のことです。ある国一カ所だけの訪問で、訪問時期が事前に相当前から分かっているなら、それなりにその国の言葉を覚えようという気にもなります。しかし、今回の視察のように5カ国となると簡単にその国の言葉を覚えて行くというわけにはいきません。通訳が側に一日中専用についていてくれるなら別でありますが、やはり、多くの国で何とか通じる英語だけは話せた方が良い。 オランダは、国際都市を目指しているため、オランダ語と英語は誰もが話せます。積極的に英語を使い外国の企業を受け入れようとしているのです。
スウェーデンとフィンランドもオランダ同様に英語を話します。フィンランドは高齢者でも英語を話す人が多い。スウェーデンでは、説明してくれた人は技術用語があったせいかスウェーデン語で話していましたが、フィンランドは英語で全て話していました。しかし、ドイツ、フランスはプライドが高いせいか英語があまり通じません。上手な英語でないせいもあるかもしれませんが、一般的にはだめ。とは言うものの、ホテルはどの国でも英語を話すことは可能です。
オランダ、スウェーデン、フィンランドと英語が通じることが分かってくると、ドイツも大丈夫であろうと誰しも思ってしまいます。ベルリンのビヤホールに入ってから英語が通じないことに気づいたのですが、その時は既に遅く、食事の注文にも非常に苦労してしまいました。デパートに入ったら年輩の女性(おばあさん)がレジの椅子に座っているのですが、英語は全く通じません。ジェスチュアーで物を買うより仕方がありません。ベルリンは若い女の人でも英語が分りません。この時ほど言葉が通じない惨めさを感じたことはありません。上手には話せませんが、英語なら何とかなると思っていただけにショックは大きかった。フランスでもドイツと同じく英語はあまり話せない人が多い。しかし、全くいないわけではなく、何度か挑戦すれば話してくれる人もいます。
言葉が異なる様に人種も様々です。オランダの空港に着くとやたらと人の背の高いのが目につきます。たまたまその時がそうなのかと思ったのですが全体的に大柄の人が多い。スウェーデン、フィンランドは、日本人とそれほど体型は変わらないのですが肌の色はかなり白い。人柄も日本人と似ていて内気で親切な人が多い。フィンランドのタピオラでは、団地内を一人で歩いていたら近くの人が寄ってきて話しかけて来ました。カタコトの英語で話すと家の中にまで入れてくれます。違う場所を歩いていても老夫婦が話しかけてくれ、ヘルシンキまで車に乗せてくれたほどです。車の中での話では、日本人と同じ様な性格を持っているし、日本のことを良く勉強していることが伺われました。
ドイツになると、人種もかなり混じっています。ハンブルグは、人口も多いせいか肌の色の異なる人が多く、駅の周辺では、人の目つきの良くない人も多い。そんなところに、背広にネクタイ姿のカメラとカバンを持った日本人が歩いていると、いかにも泥棒に狙われそうな雰囲気です。ジプシーも多く、慣れていない日本人はつい立ち止まってしまいます。夜なんかは、一人では恐ろしくて歩く気にはなれません。ここは、治安がいいとは嘘でも言えそうにありません。
治安に関しては、スウェーデン、フィンランドは北海道と同様に安全な国であると感じました。白夜の時期でもあり、11時くらいまで明るいため、一人で街の中心部に出かけたのですが恐ろしいとは感じませんでした。すれ違う人々の目つきも決していやな感じはせず、北海道にいる様な感覚で歩いていました。 |
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